AI と 戦争

今朝のニュースで以下の見出しを見ました。

米、大規模AI部隊を構想 中国念頭

具体的には、「小型で高性能、かつ安価」な空・陸・海のAIシステムを数千規模で展開する計画」とのことです。これらのシステムは、キャスリーン・ヒックス国防副長官によれば、「多数のセンサーを搭載し、太陽など実質的に無限の資源で動く自走式(自律)システムが無数に浮かび、ほぼリアルタイムで最新の信ぴょう性の高い情報が届く状況を想像してほしい」とのこと。

自律したドローン軍団が、敵の標的を探知して交戦する未来が近づいています。

これが、核による平和に代わる抑止力になるのか、人間の制御が及ばない新しい暴力になるのか、是非とも前者にすべき活動を進めるべきと考えます。

技術が問題を解決する

キリンのパッケージイノベーション研究所が、富士フィルムの剥離インクを使って、ぺりぺりとラベルをはがさなくていいペットボトルを開発したそうです。

ラベルそのものを無くすことで8%のプラスティックを削減できるそうです。

少しずつのことでもこういった技術が社会問題の解決に役立っているのを見ると嬉しくなります。

https://www.kirinholdings.com/jp/newsroom/release/2023/0829_01.html

米国アマゾンで段ボールの廃止

米アマゾンが、梱包問題の改善に乗り出しているそうです。

EC業者では、コンテナやトラックに段ボールを効率的に積み込むために、特定のサイズの段ボールを利用するそうです。その為、大きな段ボール箱に大量の緩衝材と小さな商品という組み合わせに疑問を感じた人は多いと思います。

環境に対する顧客意識が高まる中、ほっておけない問題と判断したアマゾンでは、商品の約11%をアマゾンが追加の包装をしない(Ship in Own Container)状態で配送しているそうです(2023年8月時点)。

業務改善の重要なこととして、「そもそもそれは必要なのか?」を疑ってみることが重要ですが、その典型となりそうです。

アマゾンでは、「そもそも」からスタートし、環境問題、顧客の心理(環境問題への意識や段ボールを捨てる手間)を考慮し、実行を決めました。そして、梱包しないを実行するために、販売メーカーには梱包の改善に報奨金を出すといった対策まで実施し、壮大な実証実験と改善を続けているようです。とても興味深い取り組みだと思います。

個人的には日本でも歓迎したい動きです。どのくらいの時間差で日本での議論になるのかも含めて見守りたいと思います。

トランスフォーメーション赤字

ガートナーの調査によると、従業員が会社の改革をサポートする意欲は、2016年に74%だったにもかかわらず、2022年には43%に急落しているそうです。背景には、実施される業務改革が増えすぎていることにあるようです。(2016年で年2回程度の業務改革が2022では10件という数字も)

従業員によりよい働き方をしてもらうための各種の業務変革プロジェクトが、それ自体が従業員を疲弊させているという笑えない結果になっています。

これは、課題解決のためのプロジェクトを推進することが仕事であるコンサルタントにとっても肌感覚でつかめるものです。組織のトップの意向でプロジェクトを企画・立案して現場に入ると、びっくりするぐらいの温度差を感じることがあります。

「はいはい、また始まりましたね。今度はどんな手で現場を締めあげるのですか?」

「前回とん挫したプロジェクトと同じことをなぜ今回もするのですか?、学習能力ありますか?」

などなど、現場の方々からは有言無言の反応が返ってきます。

トップの意向を受け取りながら、どれだけ現場発の変革プロジェクトにしていけるかが、コンサルタントにもとめられる一番の技量になってきていると感じます。

マッキンゼーの7Sとマニュアル

マッキンゼーのフレームワークである7S

戦略(Strategy)、組織(Structure)、システム(System)、価値観(Shared Value)、Staff(人材)、スキル(Skill)、スタイル(Style)。

7Sの内、戦略、組織、システムをハードSといい、価値観、Staff、スキル、スタイルをソフトSと言います。もとマッキンゼーの名コンサルタントの名和高司さんは、この7つのSの関係を、以下のようにまとめられています。

「本来の狙いはソフトSを変えることにあるのだが、それを実現するために周りのハードSから始める、というのが、マッキンゼー的な組織変革のやり方だ。いわば、ハードSが手段、ソフトSが目的だ。そのなかでも、システム(仕組み)を重視する。じっくり漢方薬的に組織を変えるのは、システムだ。システムが変わることによって、スタイル(行動様式)が変わる。結果的にはスキルやスタッフ(人の能力と規模)もそれまでとは違ったところで蓄積されてくる。それらを通じて、中核となるシェアードバリュー(価値観)が変わっていくことを期待するのである。

名和さんは、システム(仕組み)を変えることによって、人材そのもの、スタイル、価値観までも変えることができるとされています。

このシステムとは、意思決定の方法、評価の基準、業務上でやるべきこととやってはならないことの見直しなどです。つまり、マニュアルそのものです。

現場を刺激するレバーを後戻りさせないための最後のハードSがマニュアルによる業務そのものの見直しということになります。

島田紳助さんによるお笑いの見える化

紳助さんが後輩芸人に「漫才の戦略」に関する講義を収録したDVDがあります。

その中でとても興味深いのが、紳助さんがおこなったお笑いの分析する方法です。

通常であれば、過去の動画や音声を沢山聞きまくると思うのですが、紳助さんは後輩にこのように伝えます。

「おもろい漫才を録画して観る、テープにとって聴くとかみんなもやってるでしょ。そんなの何遍やっても何もわからんわ。紙に書くの。ものすごい時間かかるけど全部紙に書き出す。それで毎晩寝るときに何が違うんやろって考えるの。そうすると色々とわかってくる」。

情報を視覚化し構造化することで分析を進めていたのですね。この分析から、「オチのパターンは8割一緒でいい。お客は気づかない」「面白くないネタを混ぜることで面白いオチが引き立つ」「間の数が多くなるほどリズムを保つのが難しくなる」といった法則を見つけ出していきます。

頭なのかだけで考えるのではなく、文字化すること、見える形にすることの重要性を教えてくれる講義です。

対立を理性で乗り越える

教育学者で、麹町中学校の変革などで知られる工藤勇一さんの書籍を読んで、はっとしました。

「日本の学校では、対立を「思いやり」や「愛」といった心の教育で解決しようとする。そうすると対話を通じた合意形成ができなくなる。」というものです。

確かに、「その時の気持ちはどうだったのか?」「その気持ちに対してどうすべきか?」「そこは思いやりの心をもって、、」といった話が多かったと思います。これは、みんなが同じ「思いやり」の価値観や「愛」を持っていればいいのですが、それぞれだとするとどうしてもすっきりしない部分が出てきますし、「空気を察しろよ!」という教育になってくると思いました。

心の教育だけではなく、理性をもった対話を子供のころからトレーニングする必要があるのだと感じます。

働く場所を考える要素

働く場所は、仕事に影響を与える以下の要素で構成されているそうです。

・機能的要素:仕事を円滑にする物理的特性
・感覚的要素:照明、音、匂い、質感、色、景色
・社会的要素:人との交流の機会
・時間的要素:過去の成果や将来の願望を示すもの

こうやって眺めてみると、現在の自分の環境と「こうあったらいいな」と思う環境に少しギャップがあるなと思いました。

機能的要素:大きなモニタと好みのキーと本棚も近くにあり、ほぼ満足。PCを少しスペックアップしたいかも。

感覚的要素:窓があって好きだが、もう少し見晴らしや自然を感じたいな。

社会的要素:現在はほぼ皆無、自分から動いてその環境や関係を作る必要があるな。

時間的要素:現状の場所から、将来の目標を思い描けるかというとそこまでの環境ではないな。

リモートか出社かという選択も重要ですが、場所以外にある4つの要素を考えてみると、未来に向けて冷静に分析することができました。

自衛隊での乱射事件とニューロテクノロジー

「脳に電極をつけて、その状態を監視する。」というと、SFの世界のようだが
似たようなことは多くの企業で行われています。
従業員の疲労の監視、注意力の追跡、生産性の向上、安全性の強化、ストレスの軽減などの目的で、
ウオッチ、ヘッドフォン、イヤフォン、ヘルメットなどに電極をつけて運用しています。
みんな大好き(私も)アップルウオッチもその一つです。

これらは従業員に対する過剰な監視にもつながるため、労使の信頼関係にも問題を及ぼしますが、
目的が「安全」となるとその導入ハードルは下がると思われます。
「おさぼり営業マンをチェックする。」為に携帯電話の位置情報を録ると反発が大きいですが、
「災害時の所在確認で従業員の安全を確認する為。」とすると案外、許容されたりします。

その為、鉱山、建設、トラック輸送、航空などの業界で多く導入されており、
ハーバードビジネスレビューの23年7月版によりれば、世界の5000社以上がスマートキャップを導入済みだそうです。。

今回、岐阜で起きた不幸な自衛隊での事故をうけて、これらのデバイスを使い
人の発作的な危険行動を予知するといった取り組みが許容されていくのかもしれません。

ルール、教育、人による管理、で及ばないことはどうしてもあり、そのことによる事故を無くすためには、人の意識(脳の活動)を管理することになるのだと思います。

Start Small の落とし穴

「クイックスタートでいこう」とか「とにかくラピッド・プロトタイプをつくってみて」とか、ビジネスを高速で回していくために小さく始めようという考えがあります。大きな組織でありがちな「石橋をたたいて壊してしまう」弊害を考えるといいことだと思います。

一方で、DXを推進するとして、様々なツールを矢継ぎ早に導入して、全体として何がしたいのか分からなくなっていたり、全体としての最適を損なっていたりという事例を良く見受けます。

Start Small は、Googleの仕事の進め方として広まってきました。しかし、Start Small は、完全体ではありません。正しくは、”Think Big, Start Small” です。志やビジョンはしっかりと大きく持ちそこに向かって小さくスタートしていくことを説いています。

「DX、まずはやってみよう!」はいいことですが、「何のために」「どうありたいか」から考ええていくことがとても重要だと思います。