日米の業務マニュアルを比較した論文ではその特徴が分かりやすく述べられています。
・米国のマニュアルが構造化されているのに対し、日本のマニュアルは散文的であること。
・米国のマニュアルで数十ページに相当する経理処理、日本の企業のそれでは1ページにまとめられていること。
これらは、そのまま仕事の仕方の違いのようにも思えます。
前者の仕事観は、
・いつ人が変わっても同じように進められる、
・パーツパーツで仕事が完結している、
・細かく書かないと品質は担保されない、
・置き換えられれば人でもシステムでも置き換える、
といったところ。
後者は、
・おおよその方針は示すので詳細は見聞きしながら覚える、
・もしくは、詳細は各自が良いと思う方法に改善していく、
・他業との調整・連携があるので臨機応変さも必要、
・細かく書かなくてもうちの社員と文化であれば品質は担保される、
・人に知識が根付いていくことが重要
といったところでしょうか。
どちらが優れているというではなく考え方(哲学)の違いが大きいように思います。
前者が要素還元主義的な考え方で、後者が昨今注目を浴びている複雑系として組織をとらえる
考え方と言えるかもしれません。