ある修道院でのお話です。
修道院の教育係は、新人の修道女が入るたびに、「なぜ私たちは祈るのでしょうか?」と問います。新人たちは、「神様に近づくため」とか「穏やかな気持ちになるため」などと答えます。しかし、教育係はこのように伝えるそうです。
「私たちが祈る理由は一つしかありません。それは、祈りを告げる鐘が鳴るからです。」
何かを習慣づけるということはなかなか難しいものです。その対策として、その重要性や罰則などで行動変容を促す仕組みのマニュアルもよくあります。マニュアルに習慣化してほしい行動の目的や重要性を書くことはとても大切ですがそれだけではうまくいきません。
修道院の逸話が教えてくれているのは、習慣のモデルは「きっかけ→行動→報酬」ということです。
マニュアルを見直す時、業務フローを見直す時、行動のきっかけとその報酬がわかりやすくなると習慣化に結び付けられます。
- 出社したらまずは机を整理する。きっかけ:出社→行動:机の整理→報酬:気分すっきり
- 顧客に合う前に前回の商談メモを見直す。きっかけ:顧客のビルのロビーに入る→行動:メモを見直す→報酬:スムーズに商談に入れる
これらは、業界や業務により様々だと思いますが、うまくいった習慣化のしくみが共有されると強い組織になれるはずです。