オープンAIの「チャットGPT」や米グーグルの「Gemin(ジェミニ)」は、びっくりするような体験をもたらしてくれています。私の仕事もこれらの生成AIに非常に助けれれています。この先ももっと改良されるのではと期待していますが、一方で成長の鈍化を指摘する声もちらほら出てきました。
代表的なものは、「言語モデルの学習に必要なテキストはほぼ学習しつくしてしまった。」というものです。現在存在する大規模言語モデルは多少の差はあれ、全てのインターネット上のデータを利用し、吸収すべき追加データは底をついてきているといいます。これを補うために、AIが生成したテキストをソースとする方法もありますが、これは自動運転AIで失敗が証明されています。
もう一つは、電力です。IEA(国際エネルギー機関)が2024年1月に発表した電力に関するレポートによると、生成AIなどの影響で電力需要が伸びています。2022年には消費電力量が世界全体で約460TWh(テラワット時)だったのに対し、2026年にはその倍以上の約1,000TWhに達する可能性があるとしています。この電力の増分をすべてグリーンエネルギーで賄うことはできないと思われます。これは子供が一気に増えて、家計を圧迫しているような状態でしょうか。
大きな揺り戻しを繰り返しながらAIは私たちの生活に浸透してくるのだと思いますが、この揺れをよく見ていくことが大切になると思います。