『戦争論』は、
19世紀ヨーロッパの混乱のなかで産み落とされた、
「戦争」と「軍事戦略」についの本です。
この戦争論では、
戦況を左右する「人の働き」として、以下の三つを上げています。
・将軍の才覚
-戦争や軍に関する知識
-判断力や行動力
・軍の武徳
-軍人としての行動理念
-そこから生み出される秩序、規律、責任感
・国民の精神
-祖国のために全力で戦うという愛国心
そして、3つ目の「国民の精神」重要性を説いています。
企業でいうと、
・経営層、マネージャーの知識才覚
・会社の基本理念
・社員のモチベーション
といったところでしょうか。
戦争論と同じく、3つ目がとても重要であり、また
これを継続的に高い状態にすることはとても難しいことと思います。
ナポレオンは革命後、大きな変化を期待する国民の精神に後押しされ、
勝利を重ねましたが、最後はその信託を失い失墜しました。
危機感からもたらされる結束の精神は、
急激に強くなりますが、力を失うのも早いと思います。
対比するに、急場の結束力ではなく、
歴史に裏打ちされた誇りを伴う企業文化はとても強いなと
また、代えがたい資産だなと、
歴史のある企業を見ていてそう感じます。